開発環境(物理)にもこだわろう!

ゆるWeb勉強会@札幌 Advent Calendar 2019 12月15日分です。

adventar.org

一週間ぶり2回目の記事です。システムメンテナンス入ったり、PCのアダプタが壊れたりとゴタゴタしているうちに次の日になってしまいました🙇(今期のアドベントカレンダーは一度も〆切守れてない)

今回も長いので目次です。

はじめに

ゆるWeb勉強会では開発環境などの話も活発に交流されます。開発環境というとIDEやパッケージングツール、最近だと構築自動化やDockerなどが注目されていますね。

でも皆さん、お忘れではないですか?
開発環境の大前提としてもっと大事な、物理面の開発環境の整備を!

この記事では物理面の開発環境について、今年のゆるWebで発表した内容もふり返りながら、「いつ机の話してくれるんですか!」となぜか参加者から毎回期待されている内容について、自分なりのこだわりを述べておきたいと思います。

重要なことを先に述べておきます。ネタ枠です。

キーボード

コードを1文字進めるためには最低1文字以上キーを押下しなくてはならない。人の意思を指先のマリアージュととともに叩き込むキーボードこそ、開発環境の中で最も重要な部分といえようと思います。

キーボードで大事なポイントは、キー配列(※左右分離型なども含む)、キー種別、キー数 ではないでしょうか。その他はこの3つの優先度を上回る...ということはなかなかないような気がします。例えばピカピカ光るとかはモチベーションUPに重要ですが、手になじないまま光ったとしてもむしろ煽られている感が増します。

キーボードへの熱い思いは、ゆるWeb勉強会@札幌 #4のおまけ枠で下のスライドのように発表していますが、もう一度こだわりをまとめておきます。

speakerdeck.com

キー配列

多くの方は日本語配列を利用されていると思いますが、私は Mac US 配列 一本でたしなんでおります。幅広いスペースキー、適切なブラケット( [ ] )の位置、command キーによるショートカットバリエーション、キー数が少ないことによるキートップ面積の広さ、何をとっても素敵です。

通常のUS配列だけなら、かなり製品の選択肢も広がるのですが、ただのUS配列だと多くの場合
ctrl win/command alt
の並びになり、ctrl + alt しずらくない?ってなります。

あと Fn の位置が不定で自由すぎます。ctrlalt の右にあったりする Fn は実は Fu**ing Negative キーなんじゃないかって思います。

キー種別

ここは納得のメカニカルキースイッチ、もしくは静電容量無接点方式がベターでしょう。

「でも、お高いんでしょう?」

はい。12月の賞与がもうすぐという方も少なくなかろうと思いますので、握りしめていきましょう。

カニカルキースイッチ

軸の色は「それを口にしたら...戦争だろうがっ...!」って感じになりがちなので個人的な宗派を語ることはできるだけ避けておきたいところですが、私はCherry MXの赤軸が好きです。手に入りずらすぎず、重すぎず、うるさすぎず、軽快に入力できます。

静電容量無接点方式

実は昔つかっていたのですが、当時使ってたマシンと相性が悪くてハングアップしがちだったのと、キーの押し返しが弱く感じて期待より疲れるなあと思い、手放してから何年か経ちます。

2019/12/12 にMac配列のRealforceが発売*1されて、久々にこれは!と思ったのですが、試打したらまた敬遠しちゃいそうな気がするな...

ユーザー諸氏は30g静音か、変荷重かどっちが好きなんでしょうかね。ぜひコメントください。

ノートパソコンはどうするか問題

どうしようもなく、辛ければ外付けしようという感です。

ノートパソコンの純正ではほぼ選択肢がないですが、私はMac環境なので、Butterfly Keyboard Gen 3はマジで辛いと思いながら、Mac Book Proを買い換えた時に選択肢がそれしかなかったので使ってます。今もかなりタイポがひどいのを直し直しこの記事を書いてます。

最近でたMBP 16インチ はGen2の様なタッチ感にもどっていて(まだ)良い感じですね。

パンタグラフは、実は結構すきなんですけど、キートップとれすぎじゃないですか?

キー数

テンキーがほしければ10x、いらなければ8xキーあたりが好きです。割と職場では数字を打つことも多いのでテンキーがほしくて104キー*2、自宅はテンキーいらずの87キーにしてることが多いです。

ネットワークエンジニアの方は6xキー使っているイメージが強く(偏見)*3、身の回りでHHKBブームがあったときに買おうか悩んだんですが、さすがに1つのキーに役割に集約しすぎで辛いな...ってなりました(特にF1〜F10と数字の同居)。

ワーキングチェア

開発をゆりかごから墓場リリースまで進めるには長時間PCの前に座らなくてはならず、運良く昇降デスクがあたったとしても24時間スタンディングコーディングはなかなか辛いものがあるわけで、人間の脊椎と背骨を守り最適なポジッション・荷重移動を可能にするワーキングチェアも、キーボード並に開発環境で重要であろうと思われます。

でも、最近はIT系であればワーキングチェアの選定は当たり前になっている気がしますね。アーロンチェア完備の会議室とか普通に見ます。むしろIT系以外の業種の方が辛いイスで苦労されている方が多いイメージです。

ワーキングチェアの大事なポイント...これはキーボードよりも個人差が大きい気がします。私も試座(しざ)った感じで判断、というのが最終的な所ですが、背中へのフィット感、ヘッドレスト、アームレスト で選ぶことが多いです。

あと諸事情により、ここ10年くらいは座面はメッシュ*4にしています。

椅子への熱い思いも、ゆるWeb勉強会@札幌 #6のおまけ枠で下のスライドのように発表していますが、なんだかんだで軽自動車1台分ぐらい椅子に使っているので、ここも買った椅子の良いところを簡単にまとめて賞与を供養しておきます。

speakerdeck.com

チェアJr.

最初に買ったのがチェアJr.*5です。これは個人的に背中へのフィット感が最高で、高校時代に市内の東急ハンズで試座してから就職するまで、ずっと買いたかった一品です。

あまりに欲しすぎて、初めての賞与を墓地に捨てて職場に(勝手に)召喚し、その後10年弱、毎日の私の開発環境と残業の下支えをしてくれました。

ただ、ヘッドレストがないことが加齢とともにじわじわと効いてきて、職場の引っ越しにあわせて、コンテッサに鞍替えしてしまいました。

今はヘルニア気味の同僚の椅子として第二のイス生を過ごしています。

エンボディチェア

自宅のPC利用環境を充実させたくて買ったのが、ハーマンミラーのエンボディチェア*6です。

これは...このチェア自体はしっかりしてて良いモノだと思うんですが、試座せずに買ったのがフィット感のミスマッチの原因となりました。ヘッドレストがないのもやっぱり辛かった。

あと背面のデザインが独特すぎ、妻に「人体骨格みたいで気持ち悪い」と嫌がられる悲しい理由により、今は舞台を職場に移し、来客用の椅子として第二のイスを過ごしてくれています。

たまに書類仕事するときに座ると、座面の力づよさに安心感を覚えます。

コンテッサ

ヘッドレストを条件にいれると途端に選択肢が狭まるような気がしていますが、最終的に今は(キーボードほど奇をてらわず)定番のオカムラ コンテッサ*7に座っています。職場も自宅もコンテッサ。起きてから寝るまでの座り時間は9割コンテッサな感じです。

ド定番すぎて語れるところがないぐらい安定しています。日本メーカーだからかフィット感もバッチリ、華奢な感じもしつつしっかりと体を支えてくれます。座面やアームレストの調整可能箇所も十分。ヘッドレストはおにぎり型・幅広型で宗教戦争がありますが、私はどっちも好きで、職場は幅広型、自宅はおにぎり型です。

コンテッサIIにもこの前、試座ってきましたが、視座できる仕様がヘッドレスト無しノンメッシュのものだったので、色々な仕様のコンテッサIIに試座ってみたいなーと思います。

ワークデスク

机も重要ですよね*8

個人的にはワークデスクも、学生時代に使っていたCRTディスプレイ用のパソコンキャビネットから数えると5代目です。

机は、キーボードやワーキングチェアよりさらに選定の難易度が高いのではと思います。職場や自宅で配置が許されるスペースの問題は大前提として、天板の面積、長机かL型か、耐荷重と安定性 などが選定のポイントかなと思います。あと、昇降デスクはなんか別軸な気がするけど、使っている人からは肯定的な感想を多く聞いています。(私は使ってないので、この記事では昇降デスクは取り上げません)

先述のとおり、ゆるWeb札幌の関係者にお目にかかると「次は机の話ですね」と期待されてたり、前日の @mkn_39 さんも「楽しみで震えますね!(物理)」 とおっしゃってくださっているので、せっかくの機会、ここでこだわりを述べておきたいと思います。

天板の面積

天板の面積は、配置スペースにかなり左右されますね。また広すぎても作業場所が広がる反面、掃除が大変になるというデメリットもあります。デスクトップや大型ラップトップを使う用途だとそんなに配置をずらさないこともあり、面積が大きい=正義じゃないこともよくありませんか?

横幅はいくらあってもいいけど、奥行きが長い場合は本当に掃除大変(ディスプレイの裏とか、配線回りとかの奥側が特に)なので、個人的には 45〜50cmぐらいの奥行き が、掃除もしやすくちょうど良いかなと思います。例えるとコーヒーショップのカウンター席に10〜15cm追加された ぐらい。 ディスプレイアームがあれば、ノートPCの上にディスプレイを配置できる感じ。

ただ、実際に購入しようとなると奥行き60cmはサイズが揃っているんですが、奥行き50〜45cmぐらいはオーダー前提になることもよくあります。

職場

自分のスペースに Fantoni GFデスク + 丸形カウンターテーブル*9 を置かせてもらっています。(下はGarageの公式なイメージ図)

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Garage Fantoni GF + 丸形カウンターテーブル

配置する前は、病院の診療スペースみたいにしたかったイメージです。

奥行きが71cmとかなり広いので、書類仕事はキーボードをディスプレイの下にどかして行う感じです。前述のとおり奥側の掃除が面倒ですが、技術書広げたり書類を広げたりということはどうしても職場で主に発生するので、手間よりも面積を重視。

学生との面談やレビューをしやすいように、丸形カウンターテーブルを備え付けにしています。この丸形カウンターテーブルは、とても気に入ってます。面談やレビュー時は、普段は自分に向けてるディスプレイ(デュアルディスプレイにしてます)のひとつをアームで伸ばしてシェアしてみる感じですね。コードレビューやペアワーク業務が多いような立ち位置の人には結構オススメです。

実は最近はモブプログラミングなど1:多の対応の方が多くなっており、面談スペースよりも、検証したいプログラミングトイを動かしてみたりIoTの機材を広げてみたりと、ちょっと広めで便利なワークスペースとして活用するシーンが増えてきました。書類や機材を置く向きを変えておけば、見えない国境ができて自然と複数の異なる作業のスペースが作れたり、L字とは違ったよさがあります。丸形。

自宅

自宅はGarageのデスクAF*10を、サイズセミオーダーをして使っています。(現在、セミオーダーは休止中のようです)

横140cm*奥行き45cmのデスクAFを横に2つ並べて、1つはL字デスクにしています。 こうすると長方形の部屋の2辺(長編の140cm×2、短辺L字デスク分+45cm)を使って、6畳ぐらいのスペースにぐるっと作業スペース ができます。

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引っ越した当初、6畳の2辺に配置したデスクAFカスタマイズとコンテッサ

写真だとノートPCの後ろに幅がないように思えますが、実は15cmぐらいまだ奥行きが空いています。いまは生活感あふれてるので写真は掲載できないのですが、その空き幅でディスプレイアームをたてて、上に外部ディスプレイ、下にノートPCのディスプレイが見えるようにしています。

書類仕事は左を向けばL字部分があるし、ノートPCやタブレットを横におきたいなと思えば右に置けるスペースがある感じです。息子が成長したら、右側の2つめの机部分で彼の宿題を見ながら自分の仕事もできるかなあと、そんなイメージで配置しています。

長机かL型か

上記の職場に配置したような丸形はちょっと異端で、通常は長机をひとつ置くか、オプションなどでL型にするかを選択するかと思います。

L型デスクを使っている方は結構いるんじゃないかと思いますが、私も 基本はL型をベース に考えます。L型部分は内側から使ってもよし・外側から使ってもよしと考えると、 部屋の隅・角にあわせて配置するのもよいし、向きを変えて部屋の中心に配置するのもよいし、万能な机の構成 だと思います。例えば内側と外側からL型部分を挟んで対面して、簡易ペアワークスペース(ちょっと狭そうですが)にもできますしね。

ただL型にするときは、机の脚の形状は考慮ポイントにしています。足が柱状で机の下がぬけていると、対面利用や掃除がしやすい反面、ちょっとしたモノが立てかけづらく置きづらくなったり、特に北海道は冬場の足下が寒かったりします。足がパネル状になっていてぬけていない場合は全くその逆で、対面しても足のやり場がない、掃除がしずらい反面、モノや暖房器具をおいておくにはあまり困りません。

個人的には、足下にオイルヒーターを置きたいので、熱が逃げない後者をとることが多いです(足が冷えるとおなかが痛くなる体質なので...)。

耐荷重と安定性

耐荷重は、必ず自分が乗っても大丈夫な重量が明記されているものを選びます。机に乗って作業するってことが、どうしてもどこかであり得るかなと思ったので(実際は電球変えるぐらいしかないですが、学生時代や前の職場は天井近くの架空配線をいじったり、ということがよくあったのです)

安定性は、組立済みにしろユーザー組立のものにしろ、メーカーで選ぶのがコツかなと思っています。初代〜3代目と、今使っている4代目(職場)と5代目(自宅)で決定的に異なるのは、初代〜3代目はいわゆるホームセンターや家具量販店で、4・5代目はGarageで購入している点です。

Garageの家具は(さすがプラスが運営してるだけあって)作りがしっかりしてる なあと思います。ユーザー組立すると起こりやすい、なんかちょっとぐらつく...という失敗経験も今のところ皆無。その剛健さの割に、あんまりオフィス家具オフィス家具してない、カジュアルなアトモスフィア もあります。Garage好き。額が額なので頻繁に買って応援とかはしづらいけど、これからも頑張って欲しい。

終わりに

開発環境の話と言いつつ、後半になるにつれて単なるオフィス家具大好きおじさんの独白みたいになってしまいました。

可能な範囲で開発環境(物理)を整えることは、意外と自分の仕事効率やテンションマネージメントにもつながる のではないかなと思っています。仕事の内容や自分の体調、生活スタイルも変わっていく中で、物理的な環境もできるだけ合わせていける or 変化に対応できるようにしていくのが理想かなと。

最近はフリーアドレスな職場も珍しくなく、そういう意味では 職場で自分(だけ)の環境をどう整えるか、という考え方は古くなっていく のかもしれません。一方で テレワークやフリーエンジニアな働き方がもっと増えてくる前提に立つと、いかに自分の家で仕事と生活を重ねやすい環境を作るか、というのも面白そうなテーマに思えてきます。

ゆるWeb勉強会で開発環境(物理)の話をどのくらいして良いのか(ここまでやっておきながら)悩ましいなーと思いつつの今日の記事ですが、仕事・開発環境(物理)について意見やノウハウを交換できる場ももっと増えることを期待して、この辺で締めたいと思います。

明日12月16日は、 DE-TEIU さんの 一筋の光が差し込むWebサイト がもう投稿されてました!

*1:REALFORCE @TOPRE_REALFORCE

*2:高校が工業系だったので電卓を打つ訓練とかさせられてたのでテンキー結構好きなんですけど、今もそういった訓練やるんですかね?商業系は左手縛りとかあった気がする

*3:でもサーバールームとかに10x/8xキー置くスペースあるの?携帯するの?というのは確かに...ってなる

*4:座面スポンジが潰れて堅くなってきたりすると、特定の病院にかかる可能性が高まる

*5:Keilhauer/キールハワー Jr ジュニア

*6:Hermanmiller Embody Chairs

*7:Okamura Contessa

*8:長文になってきたので疲れて導入が投げやりになってきた

*9:Garage Fantoni GF + 丸形カウンターテーブル

*10:Garage パソコンデスク AFデスク