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ファームノートサミット 2015 Winter(12/02, 帯広)

はじめに

帯広で開かれたファームノートサミット2015 Winterに参加しました。

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帯広から世界へ・破壊的イノベーション」がキーワードの株式会社ファームノートさんが主催です。お話を伺うのは4度目ぐらいですが、毎回、北海道の中核産業である酪農にむけた熱い思いと、地域の酪農家(アンバサダー)の皆さんとの強いつながり、酪農×クラウド・酪農×IoTへのワクワク感を感じます。

エンジニアに限らず、酪農・農業業界からの注目も大きいのか、定員300名の予定に対して、申し込みが450名という大きなイベントとなっていたようです。帯広で、エンジニア企業主催で450名集めるイベントって、私が知る限り、あまり聞いたことがないと思います。

なかでも今回はAWS Cloud Roadshow 2015 札幌で新たなプロダクトの存在が予告されていたので、その話をとても楽しみに参加しました。

オープニング「Farmnoteの挑戦 〜What is Color ?〜」

早速、ファームノートの小林さんからのオープニングセッション。

ファームノートのスタンス、ファームノートのシステムやアプリが提供してきた既存機能の紹介からはじまりました。酪農現場を事業面からもマネージメントできるように、サービスのカバー範囲が広がっています。

「つい先日リリースしました」「これは昨日リリースしました」という新機能もいくつかあって、モダンな技術・開発手法を取り入れられていることの良い効果を感じました(正直うらやましい)。

ドイツの考える工場(インダストリー4.0)の概念を酪農や農業にどう転換するかといった観点で話が進み、酪農家・農家、ひいてはその中のアプリケーション内にばらばらに点在しているデータを全て取り込んで活用したい、という話をされていました。

そしてついにお披露目された新プロダクトは Farmnote Color。(写真はセッション後に展示されていたものです)

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巨大な腕時計のようなデザインですが、首輪として牛につけられるデザインになっているそうです。牛一頭一頭の生体的なデータを収集して、これを元に人工知能技術で個体差を学習させて、要注意な牛を全頭の最適管理ができるようにする仕組み。RFIDで、スマホを近づけるとその個体の情報も確認できるBeacon的な機能も搭載。

さらにサードパーティがアクセスできるようなゲートウェイ製品も構築予定とのこと。Farmnote Colorは2016年度の早い段階、ゲートウェイは2016年度中にリリース開始のとのことなので、動いている事例を是非見てみたいです。

酪農を極めてその次は農業、もう準備はできているという研究心もくすぐられる締めで、これからもファームノートさんの快進撃がありそうだなあと感じました。

以下、その後のセッションの詳細や感想などです。

2. 逆境を超える、農業の挑戦。

パネリストの皆さんが、農業でどういう逆境を体験して、それをど切り抜けたか・切り抜けていくかというテーマでした。

農業ど真ん中の話はさすがに門外漢な部分が多く「そうなのかー」と聞いてしまう部分も多かったのですが、自分の中で特に印象強かったのは

  • 一次産業は外的要因でとても大きな逆境を迎えることが(身近に)ある
  • 産業の有無が、その地域の未来を決める
  • 可視化できていない事柄は、1次産業の中にもまだまだある

といった事柄でした。

震災で多大な被害を受けた地域が復興するのは産業の有無が大きな要因の1つだというのは、昔、宮城に済んでいた人間としても特別、重く感じられました。

また、管理が難しい放牧などの飼育方法で、何を数値化して現場を手助けしていくか。このあたりは今まさにファームノートさんがやっていることにつながっているんだろうなと思います。

こうした中で情報システムやIoTが何をできるのか、次のセッションも含めて考えさせられました。

3 経営におけるブランディングへの挑戦

パネリストの皆さんが自社の商品をどうブランディングしたか、そしてブランディングを担当した会社の視点からはどうだったか、というテーマでした。

エンジニアの視点だと、自分の関わっているプロダクトをどうブランディングするか、という所をしっかり考えられる機会は少ない*1んじゃないでしょうか(私もその1人)。なので、各農家の特徴ある商品をどうブランディングして売り出すかという視点は、自分に置き換えてみてもずいぶんと参考になりました。

いくつかbefore/afterの事例や写真が公開されていましたが、シンボルマークやデザインを統一する前の商品はやはりそれぞればらばら感が否めずで、同じ牧場や店の商品とも思えないし、商品同士のつながり(良かったら、次は関連商品を買ってみようと思わせる力)が弱いものに見えましたが、それを統一することでずいぶんと見違えるなというのは(食べてないのに)写真から伝わりました。

良い物であれば売れるのかもしれませんが、良い物であってもブランディングしないと継続しない、内側にも外側にも次に続けづらいという視点は、これから頭の中においておきたいと思います。

ただやはり現場だけではダメで、第三者の視点や助力も重要。成功したお二方も、そこはブランディングマネージャー役をやられた企業さんのカバーリング力をかなり強調されていました。

*1 もちろん、それはエンジニアの仕事なの? という考え方もあるかなと思います :-)

4 基調講演「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」

ミドリムシといえば、のユーグレナの出雲さんの講演。勉強不足ですが、ミドリムシの培養プラントを試作した、というニュースを拝見した頃からすっかり飛躍されて、いまやジェットエンジンを飛ばそうというところまで来られているのですね。

講演では出雲さんのご経験から、何故ミドリムシに可能性を感じているのか、というところから始まりました。栄養食や燃料としてのミドリムシの特性や、海が無くても畑にプールを作って培養できるという話。初めて聞いたらSFなのではないかとも思わせる内容でしたが、そこにかける熱意を話されていました。

1回の失敗であきらめず、1%の成功率でも400、500回繰り返えせば成功率99%になるという話は、研究者としても見習いたい姿勢だと思いました。

おわりに

最後まで参加したかったのですが、移動時間が迫っていたので後ろ髪をひかれる思いで退室しました。

出典されてたe-kakashiなどのデバイスの話も聞いてみたかったのですが、パンフレットで我慢。

帰り際、会場の駐車上は本来駐車できない通路や他の車の前まで車で埋め尽くされていて、私も車を出してもらうのに20分ぐらい難儀したのですが、それすらすさまじい注目度だなと印象づける出来事でした。

ファームノートサミットは、エンジニアリングの話だけではなく、たとえばブランディングの話なども幅広く盛り込まれているのが面白いなと思います。ぜひまた次回、参加したいと思っています。

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